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塗膜種別による研磨料金の見直し|JCAが提案する適正価格基準

監修・執筆

金子 幸嗣 / JCA技術最高顧問

ケヰテック株式会社 代表

「塗膜の違いを無視した一律料金は、職人の技術を正当に評価していない。JCAはその基準を業界に示す責任があります。」

このページで分かること

「なぜ今、塗膜種別で研磨料金を分けるべきなのか」

自動車の塗装は大きく3種類に分類され、研磨難易度が大きく異なります。同じ面積・同じ傷の深さでも、必要な機材・工程数・作業時間が変わるにもかかわらず、一律料金を設定している施工店が多いのが現状です。JCAでは、教務SGM技能監督官の育成講習で得た最新の技術知見をもとに、塗膜種別ごとの適正な研磨料金の基準を提案します。

3種類の塗膜と研磨難易度

TYPE 01 | 標準難易度

一般的な塗装(ソリッド・メタリック・パール)

オリジナル塗膜に当てたペーパーの番手を傷に見立てると、800番程度の傷であれば容易に研磨作業が可能です。いかに早く・精度高く仕上げるかが施工士の技術差になります。ただし、時代の物価・人件費の上昇に合わせた価格見直しはすべての施工店で必要です。

「同じ面積を研磨して、同じレベルの仕上がりになった」という客観的な評価方法がなければ、料金の見直しは困難です。JCA研磨検証プログラムで数値化による解決が可能です。

一般的な塗装(ソリッド・メタリック)を研磨する施工作業の実例
TYPE 02 | 高難易度

従来の耐スリ傷クリヤー

1500番程度の傷でも塗りたての「キレイ」まで磨ける技術者は非常に少ないのが現状です。

主たる原因は、クリヤーに傷への耐性がある塗膜のため、一般的な塗膜を研磨する時と比べ、より研磨力のある方法を用いなければならないことにあります。つまり、一般的な塗膜研磨より難易度も高く、時間もかかります。

客観的な評価方法がなければ、「自分は他者に負けない研磨ができている」という勘違いを本人が認識できません。JCA研磨検証プログラムでは、測色計による数値化で仕上がりのレベルを可視化できます。

TYPE 03 | 最高難易度

所謂、自己修復塗装

自己修復塗装の研磨作業でヒートガンを使用して塗膜の自己修復反応を確認している様子

従来の耐スリ傷クリヤーをさらに上回る難易度の塗膜です。復元できない深さの傷がついた場合、その傷を自己修復する力が加わるため、作業時間はさらに増加します。業務用シングルポリッシャーの研磨力に匹敵する機材が必要であり、最低でも工程数が1つ増えます。

特に注意が必要なのは、自分で付けたバフ目(傷)が、熱を加えることで形状記憶されたかのように自己修復してしまう点です。ヒートガンで熱した後、ペーパー目が確認できない状態で自分が付けたバフ目のみが残っていれば、1工程目は「次の工程へ進んでOK」の合格サインです。

JCA推奨|塗膜種別 研磨料金の目安

一般的な塗膜研磨に要する料金を1.0倍(基準)とした場合の料金倍率の目安です。

一般的な塗装(ソリッド・メタリック・パール)

標準的な研磨作業。技術差は速度と精度に現れる

× 1.0 (基準)

従来の耐スリ傷クリヤー

より研磨力のある方法が必要。工程数・時間が増加する

× 1.3〜 (目安)

所謂、自己修復塗装

最低1工程増。特殊機材必須。熱管理の難易度が高い

× 1.3〜 (目安)

※上記は参考基準です。実際の料金は車両サイズ・傷の深さ・状態により変動します。料金根拠の数値化にはJCA研磨検証プログラムの活用をお勧めします。

STEP 1 | 料金の根拠を測色計の数値で証明する

「なぜこの料金なのか」を
顧客に数値で証明できますか?

料金の見直しを実現するには、「同じ面積を研磨して、同じレベルの仕上がりになった」という客観的な評価が不可欠です。JCA研磨検証プログラムは、測色計による数値化で研磨作業の品質を証明し、料金根拠を顧客へ提示できる施工店を育成します。

JCA研磨検証プログラムの詳細を見る → プログラムについてお問い合わせ

工程の違い:実車で検証した数値データ

日産エクストレイルのボンネット部分に800番のペーパー目を入れ、塗膜種別ごとの工程数を実測した結果です。(JCA教務SGM技能監督官 育成講習より)

一般的な塗膜(800番ペーパー目)

2工程で仕上げ可能

自己修復塗膜(JCA推奨機材使用・400番対応)

3工程以上が必要

自己修復塗膜では、業務用シングルポリッシャーの研磨力に匹敵する機材が必要です。ヒートガンで熱した後、ペーパー目が確認できない状態で自分が付けたバフ目のみが残っていれば1工程目クリア。JCAが推奨する機材・コンパウンド・バフを使用すると、400番程度の傷であれば3工程で塗りたての艶に近い状態まで仕上げることができます。

一般的な鈑金塗装店では、事故修理で従来の耐スリ傷クリヤーや自己修復塗膜の車両が入庫した際、磨きにくさから敬遠されるケースもあります。
コーティング施工店こそ、この違いを正確に理解し、適正料金を設定する技術と根拠を持つべきです。それが業界全体の信頼向上につながります。

STEP 2 | 技術力を資格で証明する

コーティング技能検定で
塗膜研磨の技術を正式認定

塗膜種別を理解した上で適正な研磨料金を請求するには、技術力の裏付けが必要です。JCAコーティング技能検定は、業界公認の資格として施工士の技術を証明します。2026年4月・7月、全国会場にて開催予定。

コーティング技能検定の受験申込はこちら →

よくあるご質問

Q.自己修復塗装と一般塗装は見た目で判別できますか?

A.目視のみでの判別は困難です。車両のカタログ・整備記録・塗装データを参照するか、目立たない部位で試し研磨を行い塗膜の反応を確認するのが実務的な方法です。JCA講習では判別方法も教授しています。

Q.料金を1.3倍に引き上げると顧客離れが心配です

A.料金根拠を測色計の数値データで示せれば、顧客の納得感は大きく変わります。JCA研磨検証プログラムを活用することで、「なぜこの工程が必要か」「なぜこの料金なのか」を客観的な数値で説明できます。価格ではなく「価値」で選ばれる施工店になることが目標です。

Q.JCA研磨検証プログラムとはどのようなものですか?

A.JCA公式認定の研磨検証プログラムは、測色計を用いて研磨前後の塗膜状態を数値化し、「研磨作業でツヤが向上した事実」を客観的に証明するプログラムです。プログラム修了後はJCA公認証明と施工店リストへの掲載が行われます。

Q.コーティング技能検定では塗膜種別の知識も問われますか?

A.はい。実技試験に加え、塗膜の種類・研磨理論・機材選定に関する知識も問われます。2026年からは2級試験でセルフ仕様パネルを使用するなど、実務直結の内容に改訂されています。詳細は試験要項ページをご確認ください。

Q.JCA会員でないとプログラムや検定に参加できませんか?

A.JCA研磨検証プログラムは非会員・会員問わずご参加いただけます。コーティング技能検定も非会員の方から申込可能です。まずはお問い合わせフォームからご連絡ください。

塗膜種別・研磨料金についてのご相談

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