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車の塗装構造とコーティングについて

新車の塗装構造

2021年12月2日更新

自動車メーカーが新車を生産する時の塗装は、
防塵対策がしっかり行われた塗装ブースにて、最先端技術を駆使したロボットにより行われています。

第一工程は、下塗りとしてサビを防ぐために導電性の高い水性塗料のプールに浸し、電着塗装を行います。
そして、鉄板の継ぎ目や細かい隙間にシーラーを塗布します。

これは、接合部の段差をなくし、サビの発生や水漏れを防止したり、気密性を高めたり、上塗りの仕上がりを良くする効果があります。

その 後、本塗装となりますが、一般的に中塗り・上塗りベース・クリアの順で行われます。

中塗りとは、塗装面と塗料の結びつきを良くする為に表面を整えるサー フェイサー塗装と呼ばれるもので、
これを行う事で塗膜が丈夫になり、仕上がりも美しくなります。

これらの後に、ようやく実際の車のボディーカラーを吹き付ける上塗りベース工程となります。

最後に保護膜の役目や光沢感を出す、クリア塗装の重ね塗りが施されます。

こうして何重にも塗り重ねられている塗装です が、最新の塗装膜は塗装技術の進化により、硬く高品位ながら、非常に薄くできており、

全部で厚くても100-150μm(ミクロン = マイクロメートル)で0.1~0.15㎜ 程度であるとされています。

コーティングを塗る前の塗装状態で重要なポイントとは?

塗装面に大きな傷やヒビ割れなどのある車の場合、そのままの状態でクリア塗装やコーティングのみによる補修はできません。
剥がれてしまった塗装の上から、塗料やクリアやコーティング剤を吹き付けても、中に空気が入る為、すぐに剥げてしまいます。

クリア層又は状況に より塗装自体をスケルトンなどの薬品にていったん剥がしてから、再塗装する必要があります。

これらの工程は、その後のコーティングの仕上がりに大きな影響 を及ぼす為、本格的な設備を持った板金塗装工場に依頼し、
傷がつく前の状態により近づけておくことがポイント
となり、その後のコーティングの威力にはっきりと違いが現れます。

また、コーティング前に研磨により段差などがないように処理しますが、研磨技術に大きな差が出る工程であり、
車の塗装状態を見極める経験と磨きの腕=技術が重要となってきます。

再塗装をするほどでもない小傷や洗車キズなどですが、こちらもやはりクリア塗装の塗り直しや
コーティング剤吹き付けのみで、傷を消してしまう事はできません。

下地に傷があったり、よれている状態では、上に何をのせても、
完全に滑らかな表面状態を 作り出すことはできないからです。

ここでも、研磨による丁寧な下地処理が非常に重要で、上述の様に最近は塗装膜が非常に薄い為、
それらに合わせた高い磨きの技術
が求められています。

ガソリンスタンドや洗車専門店などで行われている1ー2時間の短時間の磨きでは、薄い塗膜に対応した繊細な研磨を施すことは不可能で、
コーティング剤の威力が最大限に発揮されるような状態にもっていくことは出来ず、明らかに仕上がりに差が出てくるのです。

また、小傷のある特定の部分だけのクリア塗装やコーティング施工することは、塗装の構造からも無理があり、段差やムラが出たり、
施工後時間が経つと熱などによるちじみが発生し易くなります。

車のコーティングや研磨に関しては、様々な基準や表記方法が用いられているのが現状で、日本コーティング協会では、
常にユーザー様にとって役に立つ、うそ偽りのない情報発信ができる様に努めて参ります。

ガラスコーティング基準 Topページ > ガラスコーティングの硬度について

社団法人 日本コーティング協会

分光色差計(測色計)による研磨検証プログラム

前項の研磨技術について、日本コーティング協会では世界初の評価方式を推奨しています。

この評価方式は、月間BSRに連載された、「研磨した塗面のツヤを測色する」(ケヰテック株式会社金子代表投稿)の内容に基づき、金子代表立会いのもとご協力いただき、更に工夫を重ね出来上がった評価方式になります。

興味がある方は当協会にお声をお掛けください。
評価方法のみを真似ることではなく、

なぜ、ツヤが測色できるのか?、ツヤの色による数値化が必要なのか?、それの根拠、他の方法との比較や優劣、注意点など、を丁寧に説明して、話し合うことが出来ます。
分光色差計(測色計)による研磨検証プログラム

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